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新春檜舞台 [日本の芸能]

石川県立音楽堂 邦楽ホールで、新春の吉例「新春檜舞台 新年のめでたい芸能華絵巻」を観てきました。

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  (一等席 1階席3列16番 GoToイベント対象で前売4500円のところ3600円)公演約90分

<演目>(解説は配付のプログラムより引用)
●宝生流 半能:「高砂」 渡邊荀之助
 阿蘇神社の神主・友成は上京の途中、播磨の国・高砂の浦で松の下を掃く老夫婦に出会う。
 夫婦は高砂と住吉、「相生の夫婦」である両地の名松の化身だった。
 海路をたどり摂津の国・住吉に到着した友成は、天下泰平を祝福して舞う住吉明神の夜神楽を見る。

 前後二場ある能の後半部だけを上演する形式が「半能」
 今回はワキ・友成が高砂を船出し住吉に着くところから始まります。
 地謡の「高砂や。此浦舟に帆をあげて」の一節は、婚礼の席によく謡われるもの。
 ノリの良い「出端」の囃子でシテが登場。
 「神舞」が舞われ、最後には「千秋楽は民を撫で。万歳楽には命を延ぶ。相生の松風颯々の声ぞたのしむ」と謡い納められます。
 この部分だけ短く採り上げ、日常の能の催しの最後に謡い添える「付け祝言」の風習は今もよく見られます。

●落語:「幾代餅(いくよもち)」 林家たい平
 搗(つ)き米屋(精米業者)の奉公人・清蔵が、吉原遊郭の花魁・幾代太夫の錦絵に一目ぼれ。
 「しょせんは高嶺の花」と思っても、諦めることができない。
 一年間働いて貯めたお金をはたいて、いざ吉原へと赴くがー。
 幾代太夫への思いを一途に貫く清蔵の姿に打たれた親方夫妻や、通人の町医者があの手この手で応援する。
 心温まる結末の長編人情噺。

 話が始まって間もなく客席から携帯の着信音が鳴るハプニング。
 それをイヤな顔もせず、やんわりと受け止め、「電源を切るなら今ですよ。確認するなら今ですよ」と観客への注意喚起も笑いに変えてしまう臨機応変な対応に感服です。

●舞踊/長唄:「常盤の庭」 立方:若柳宗樹、若柳吉優
 江戸および諸国の四季の風光の美を歌う、盛りだくさんで上品な名曲。
 安芸の厳島神社をたたえ、その縁起から始まり、一転して芝浦から眺めた品川沖の風景のさまざまがうたわれる。
 はじめの荘重さから「春夏秋冬楽しみの、千代に万代祝し祝して」の結びまで、変化に富んだ、めでたい曲。

 本来、長唄は江戸の歌舞伎に密着しており、役者の舞踊伴奏や芝居の効果音楽全般を担当する劇場付属の音曲。
 当時、芝居は廓と並ぶ「悪所」とされたので、高位の人が親しむべきものではありませんでした。
 ところが、粋で洗練を極めた曲風は身分を超えて愛されるところとなり、ついには芝居や舞踊とは無関係に演奏だけを楽しむ「お座敷長唄」が作られます。
 明治時代以降、皇族・華族など新たな上流階級で長唄が盛んにもてはやされた背景には、「常磐の庭」新作のような意欲的試みがあったのです。

  20210117 新春檜舞台1.jpg

めでたい演目、会場エントランスの餅玉飾りで新春気分で華やいで。


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